本の要約

転職先の選び方|伸びる産業の見分け方

転職をしようと思ったとき、どのような業界を選べばよいのでしょうか。

あなたが経験してきた業種?それともあなたが経験したポジション?

今回は、この疑問に答えるべく、こちらの書籍を紹介します。

結論から言うと、最も重視すべきは、その業界が伸びているか、縮小しているかです。

たとえ素晴らしいスキルや能力を持っていても、転職先の業界が衰退していると、給与アップが見込めないばかりか、将来的に仕事失う可能性すらあります。

今回の記事は、次のような人におすすめです。

こんな人におすすめ
  • 転職についてボンヤリ考え始めたが、何をどうすればいいのかわからない
  • 転職先を選ぶときに、何を基準にしたらよいかわからない

今回の記事を読むと次のことがわかります。

この記事を読むとわかること
  • 伸びる産業、縮小する産業の見分け方
  • 業界が発展、衰退する流れ
  • 伸びる産業の探し方

記事の概要

「転職の思考法」では、転職先を決めるポイントは、次の3点と述べられています。

  • 将来的に衰退する産業で働いてはならない
  • 仕事の賞味期限を把握し、市場が伸びるか縮小するかを見分ける
  • 伸びるマーケットの中から、あなたにベストの会社を見つける

本書によると、どんな仕事にも”賞味期限”が明確に存在し、最終的に雇用する社員の人数が減っていきます。

雇用者数が減少していく様子は、『仕事の賞味期限』と表現することができます。

どのように賞味期限に向かっていくのかを、本記事の中で紹介していきます。

また、以下のイラストは、あなたにベストな会社を見つけるまでのふるいの掛け方を表しています。

産業全体の中から、将来的に伸びるマーケットを見つけ、さらにその中から、あなたにとってのベストな会社を見つけるという手順です。

本記事では、伸びるマーケットを見つける方法を紹介します。

伸びる産業か、縮小する産業かを見分けるフレームワーク

前提として、仕事は新しく生まれて、いつかは消えていきます。

新しい技術が生まれると、それに伴って世の中の仕事も変わっていきます。

将来的に、AIやロボットによって人間の仕事が代替され、消滅する職業があるという話も耳にします。

一方で、AIやロボットを使いこなす側の仕事が新しく生まれたり、AIやロボットによって生み出される仕事に従事する人も出てくるはずです。

仕事は時代の変化に伴い、新しくうまれ、いつかは縮小していきます。

仕事には、人生ライフステージのように、始まりから終わりの流れがあるのです。

『転職の思考法』では、始まりから終わりまでの流れを「仕事のライフサイクル」と表現しています。

事業を始めたばかりで、他の誰も真似していない状態(=ニッチ)からスタートし、儲かるとわかって新規参入する会社が増えていきます。(=スター)

業務の効率化が進み(=ルーティンワーク)、最終的に人件費を削減するため自動化が進み、雇用者数が減少する(=消滅)という流れです。

それぞれのフェーズの特徴を簡単にまとめます。

①ニッチの特徴

誰かがやり始めたばかりの仕事で、他に誰も同じような事業をしていない状態。

雇用者数は少ないが、替えがきかない仕事。

②スターの特徴

ニッチだった仕事が儲かることがわかり、新規参入する会社が増える状態。

雇用者数は増えるが、まだ代替可能性は低く、替えがきかない仕事。

③ルーティーンワーク

業務プロセスを汎用化し、誰でもできる作業に分解し、マニュアル化された状態。

雇用者数は多く、他の者でも代替できる仕事。

④消滅

プロセスがさらに効率化され、自動化によってコストを下げていく。

仕事自体がなくなるわけではなく、人間が担う部分は消滅し、雇用者数が減少する。

伸びていく産業、縮小する産業

あなたの仕事が、③ルーティンワーク、④消滅のフェーズだったとしたら、それは将来的に縮小するか、すでに縮小している産業です。

自社だけでなく、競合他社も売り上げが減少しているようなら、その産業は縮小しているということになります。

一方、①ニッチならば将来的に伸びる見込みのある産業で、②スターならば生産性がすでに高い産業ということができます。

自社を含めた競合他社も売り上げを伸ばしている状態なら、伸びていく産業ということができます。

伸びるマーケットを見つける方法

『転職の思考法』では、伸びるマーケットを見分ける方法が2つ紹介されています。

方法①:複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目する

方法②:既存業界の非効率を突くロジックに着目する

北野唯我『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』ダイヤモンド社(2018)

本記事では、手軽に取り組むことができるという理由から、方法①を紹介します。

(方法②は難易度が高いので、気になる方は本書を手にとってみてください)

方法①の重要な点は「サービスに注目する」というところです。

ベンチャー企業に転職しろと言っているのではなく、伸びているサービスに注目するのです。

複数のベンチャーが提供しているサービスで、さらに伸びているということは、世の中から必要とされており、世の流れを味方につけているということになります。

調べる方法はシンプルです。

  1. インターネットや転職サイトで「○○業界 ベンチャー」などで検索
  2. ヒットした企業が複数あり、設立年度が若く、投資が集まっていることを基準にする

方法はシンプルですが、情報収集能力や分析力が必要とされます。

楽に転職先を探すことができる近道ではなく、地道に取り組むことが大切です。

まとめ

『転職の思考法』は、転職するにあたっての思考法を知ることができる本です。

思考法がメインなので、具体的な方法やノウハウが書かれているわけではありませんが、転職について考え始めた人にはおすすめの本です。

この記事のまとめ
  1. 衰退産業ではなく、これから伸びる産業で働くことが重要
  2. 伸びているか、縮小するかを判断する際に「仕事のライフサイクル」を活用する
  3. 複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスが、今後伸びていく

この記事では紹介しきれない内容がたくさんありましたので、もっと知りたいと思ってもらえた方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

今回の記事があなたのお役に立てると嬉しいです。

ABOUT ME
コウタロウ
こんにちは、コウタロウです。 愛知県内で、一般事務職の会社に勤めています。 ビジネス本を読むのが好きで、生産性アップに強い関心を持っています。 これぞ!と思うものを紹介しています。