- いつも緊急の仕事に追われている
- 同じ量の仕事をしている同僚は定時で帰宅するのに、自分は残業ばかり
今回は、こういったお悩みの解決策をお伝えします。
参考にした本は下記のとおり。
- 完璧人間は仕事のやり方を見直すべき
- 力の入れどころと抜きどころを知るべき理由
- 成果が出るところだけに力を注ぐ方法
この記事は5分ほどで読み終わります。
5分後には、今までより「脱・完璧主義の思考」ができるようになるはずです。
本の紹介
①:著者の紹介
著者の古川武士(ふるかわたけし)さんは、習慣化コンサルティング株式会社の代表取締役です。
この会社は「続ける習慣」を重要なテーマとして掲げるコンサルティング会社で、
個人、企業向けにコンサルティングや、習慣化に関する講座や事業を行なっています。
2021年9月現在、著者のプロフィールによると、著書21冊、累計95万部を超えています。
海外でも翻訳され、中国、韓国、台湾、ベトナム、タイなどでも広く読まれています。
②:本の概要
本の内容を簡単にまとめると、
ビジネスパーソンにとって、過度な完璧主義はマイナスの影響を及ぼす
ということが書かれています。
大まかにポイント挙げると、
- 一般的なビジネスマンには、完璧主義思考がマイナスの影響を及ぼす
- 完璧主義より、最善主義を目指そう
- 限られた時間の中で最大の成果をあげる思考法
といった内容です。
本書には、完璧主義を3つのタイプに分ける診断テストがついており、自分はどれに該当するのかが明確になります。
また、「完璧主義の人」と「上手に力を抜く人」とが対比されて書かれているので、目指すべき行動がとてもわかりやすいです。
完璧人間は仕事のやり方を見直すべき
結論からお伝えします。
完璧主義思考のビジネスパーソンは、仕事のやり方を見直したほうがよいです。
なぜなら完璧主義の人は「力の抜きどころ」がわからず、雑用にも全力を注ぎがちだからです。
すべての仕事に等しく力を注ぐのではなく、本当に重要な2割の仕事に集中したほうが、仕事の成果が出やすいのです。
「なぜ、あの人は早く帰っているのに成果が出ているのか?」
「なぜ、あの人はいつも余裕なのに納期をきちんと守れるのか?」
こんなふうに感じる、できる人が周りにいるのではないでしょうか?
その人は、仕事の本質を見極め、成果が出るポイントに全力投球し、それ以外の部分は上手に力を抜いているのです。
古川武士『2割に集中して結果を出す習慣術』2017 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書では、上手に力を抜く方法が具体的に書かれているので、
仕事に追われるビジネスパーソンの役に立ちます。
力の入れどころと抜きどころを知るべき理由
一般的なビジネスパーソンは、力の抜きどころを知ることが重要です。
なぜなら、私たちは限られた時間の中で成果を出さなければならないからです。
同時進行で複数の事業や業務をこなす必要がありますし、その全てに等しく労力を割くと、本当に重要なポイントに集中できなくなってしまいます。
『2割に集中して結果を出す習慣術』では「完璧主義思考」を脱出し、「最善主義思考」を身につけることが大切と書かれています。
最善主義とは、「力の入れどころと抜きどころ(集中する2割)を見極めて、より無駄をなくし、限られた時間の中で最大の結果を出す」ことです。
この思考を身につけると、あなたは今よりも少ない時間で大きな成果を出すことができます。
古川武士『2割に集中して結果を出す習慣術』2017 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
私は典型的な完璧主義で、仕事の完成度にこだわりを持っていました。
内部資料の見た目や体裁にこだわるなど、成果に直結しないところで全力投球していましたし、そもそも、どの業務に注力すべきかを見極める方法も知りませんでした。
成果が出るところだけに力を注ぐ方法
本書では、次のように書かれています。
上手に力を抜く人は
① 20%の最重要ポイントを見極める
② その他は覚悟を決めてある程度手放す
古川武士『2割に集中して結果を出す習慣術』2017 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
つまり、メリハリをつけて、影響力の大きい仕事に注力すべきということです。
最重要でない部分は、勇気を持ってスッパリ手放す必要があります。
実践する上での問題点
「重要ではない業務を、勇気を持って手放す」という考え方は、確かに効果がありそうです。
しかし、実践するのは非常に難しいことです。なぜなら、
- 重要度が低くても、やらなくてはならない仕事はある
- 一度始めた事業は、簡単にやめることができない
- やらないと決めた判断が間違っていないか怖い
などが挙げられます。
最重要課題に全力を尽くしたいのは山々ですが、細々とした仕事もやらなければならないのです。
サラリーマンなら、こんな悩みありませんか?
「直接的に成果に結びつかないからといって、その業務をやめることができない」
実際に私が実践しようとして、大きくつまづいたところです。
そこで「最重要ポイント以外を手放す」という行動を、小さく始めてみましょう。
具体的な実践方法(小さく始める)
業務の全体像を把握し、不要な部分を手放す
業務の流れを図示するなどして明確化し、そこから工夫する余地を探します。
手順は下記のとおり
この方法は、業務の引き継ぎを受けたときに有効です。
なぜなら、引き継ぎを受けるときが最も「なぜこの方法でやっているのだろう?」という発想を持ちやすいからです。
具体的には、次の点を意識して効率化を図ります。
ただし、これだけでは大幅な改善にはなりません。
自分が持つ業務の総量が減るわけではありませんし、根本から変えるわけでもありません。
そのため、劇的な効果は発揮されづらく、少し生産性が上がっても、緊急性の高い他の業務が押し寄せてきます。
そこで次に着手するのは、「やめる」のではなく「人に任せる」です。
自分以外でもできることは、他者に任せる
これを徹底してできているのは「保育園の迎えに行く親」です。
つまり、帰る時間が強制的に決められている状態です。
ここからは、私の体験談です。
私には2歳の娘がいて、保育園に通っています。
普段は妻が保育園に迎えに行くのですが、妻が体調を崩したため、私が代わりに迎えに行く日が続きました。
私は残業ばかりしていたので、普通にやっていては仕事は片付きません。
何がなんでも定時ダッシュで帰らなければならない状況です。
「普通にやったら間に合わない!」「自分以外でもできる仕事は、他の人に振る!」と、普段とは違う思考法や、集中力が発揮されました。
保育園に迎えに行く親は、絶対に時間通りに帰らなければならないため、期限に対する意識が高まるようです。
このときに学んだことは
私の場合、どうしても守るべきリミットが発生したのは、子どもの世話のおかげでした。
「自分だけの誓い」ではなく「他者との約束」があると、高い集中力で仕事に取り組むことができます。
たとえば、
- ジムや習い事の予約
- 保育園の迎え
- 家族や友人との食事の予定
などを使って、強制的に帰る時間を決めることが重要だと感じます。
まとめ
今回の記事では、古川武士さん著の『2割に集中して結果を出す習慣術』をもとに、
完璧主義を脱出する必要性や、実践する上でのポイントを紹介しました。
今回の記事のまとめは、次のとおりです。
- すべての仕事に等しく力を注いではならない。本当に重要な2割の仕事に集中すべき
- なくすことができない仕事なら、手放す方法を考える
- 他者との約束を作ることで、帰る時間を強制的に決める
詳しい内容を知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
「完璧主義の人」と「上手に力を抜く人」との対比が、かわいいイラストで紹介されています。
完璧主義思考の弊害が、とてもわかりやすくまとめてあるのでおすすめです。
この記事が、少しでもお役に立てると嬉しいです。