- 『転職2.0』の要約サイトは、文量が多すぎて理解できない
- 『転職2.0』を読む前に、知っておいたほうがいいことは何か
こんな悩みを解決すべく、今回の記事を書きました。
『転職2.0』の要約記事は、分量が多くて難しくなりがちです。
本記事ではピンポイントで『転職2.0』を解説し、著者の「働き方に対する考え方」の土台となる部分を紹介します。
著者が重要だと考えている根底部分を紹介し、本の理解を補助します。
『転職2.0』の大まかな流れは、次のとおりです。
- タグを把握し、市場の中で自分にどれほど需要があるかを知る
- タグをかけあわせ、希少性を高める(市場価値を高める)
この記事を読むと、次のことがわかります。
- 『転職2.0』の重要キーワードである「タグ付け」とは何か
- なぜ市場価値を高める必要があるのか
- 自分自身の幸せを最大化するための考え方(株式会社自分)
なお、別の記事では
- あなたの強みの見つけ方(強み=タグ付け)
- ポジションから逆算してキャリアを考える方法
- あなたの市場価値を知る方法
を紹介していますので、そちらもお読みいただけると嬉しいです。
『転職2.0』の重要キーワード、タグとは何か?
『転職2.0』の重要キーワード、”タグ”について解説します。
タグを一言で表すと?
タグを一言で表すと「あなたがどんな人物で、何ができるのかを周囲に知ってもらうもの」です。
言い換えると、あなたの経験やポジションを要素分解し、カテゴリごとに分類したものです。
ツイッターやインスタグラムのハッシュタグをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
自己分析の一種として、あなた自身の特性を自認することに役立ちます。
タグ付けをする目的
タグ付けをする目的は、あなたの市場価値を高めることです。
タグ同士をかけあわせたり、新しいタグを手に入れることで、あなたの希少性(=市場価値)を高めます。
本書では、市場で需要のあるタグは何か、どのようなかけ合わせが需要があるのかなどが深掘りして紹介されています。
他にも、あなたのタグをSNSなどで発信することで、あなたが何者であるかを世の中に認知してもらうこともできます。
タグを発信することで、企業からのオファーを呼ぶことのほか、転職先とのミスマッチを防ぐ効果を期待できます。
タグの種類
タグの種類は以下のとおりです。
- ポジション(役割)
- スキル
- 業種
- 経験
- コンピテンシー
①〜④はイメージしやすいと思いますが、⑤は聞き慣れない単語ですね。
本書から引用して解説します。
コンピテンシーとは、ハイパフォーマーに共通してみられる行動特性のことです。
コミュニケーション能力、誠実性、主体性、チームワークなどがこれにあたります。
村上 臣『転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール』SBクリエイティブ株式会社(2021)
コンピテンシーは単なるスキルとは異なり、何か目標が与えられたときに達成に導くために必要な能力を意味します。
例を挙げれば、「チームへの貢献」や「誠実さ」「計画立案」「戦略構築」なども重要なコンピテンシーです。
村上 臣『転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール』SBクリエイティブ株式会社(2021)
コンピテンシーとは、高い成果を出すことにつながる行動特性のことをいいます。
ハイパフォーマーの性格、価値観、動機などを分析した結果、共通して見られるものです。
タグを使った転職方法
タグを使った転職方法は次のとおりです。
- あなたが持っているタグを整理し、市場で需要のあるタグを把握する
- タグ同士をかけあわせ、希少性を高める(=市場価値を高める)
なお、タグ付けをする具体的な方法は、別記事で解説します。
なぜ市場価値を高める必要があるのか
『転職2.0』では、市場価値を高めることが非常に大切と述べられていますが、そもそもなぜ市場価値を高める必要があるのでしょうか。
今の会社で、定年退職するまで働くと決めている人にとっては、その組織内で必要とされる人材でありすれば良いはずです。
しかし、何かしらの理由で転職したいと考えたとき(たとえば、職場の人間関係が望ましくない、給与収入が不満、労働時間や休日出勤などの労働条件が悪いなど)、あなたは転職に踏み切ることができますか?
総合職として数年ごとにジョブローテーションを繰り返す人は、組織内では役に立つ人材でありこそすれ、特定の知識やスキルに特化することが難しいです。
その自信のなさから「他の会社で求められる人材ではない」と考え、今の会社から身動きができなくなってしまいます。
一方で、「いつでも転職できる」という切り札を持つことは、あなたの人生の幸せ度に大きな影響を及ぼします。
当然のことながら、いつでも転職できる人は市場価値が高く、他の会社からも求められる人材であることが必要です。
あなた自身が主導権を持ち、能動的に人生の舵をきるために、市場価値を高めることが必要なのです。
あなたの幸せを最大化するための考え方(株式会社自分)
『転職2.0』では、人生における幸せの総量を最大化することについて、あなた自身を株式会社にたとえて説明しています。
「株式会社俺」とは、自分にとっての幸せが最大限になるように、自分自身の経営者になるということ。
宮坂さんは自分という会社に「会社事業部」「家族事業部」「アウトドア事業部」といった事業の柱を持っていて、「株式会社俺」の時価総額は幸せの総量で表されると語っていました。
村上 臣『転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール』SBクリエイティブ株式会社(2021)
著者の村上さんが、ヤフーで働いていたときの代表取締役(=宮坂学さん)が、社員に対して繰り返し語っていた内容です。
自分の幸せの総量が最大化することを目標に、自分で考え、選び、株式会社自分の舵を切っていく必要があるのです。
幸せの総量を最大化するにあたり、家族や友人、趣味といった仕事以外の部分も充実したいですよね。
仕事はあなたの人生の一部であって、仕事=人生ではありません。
会社主体で、会社の言いなりで働くのではなく、あなたが主体で働くことを意識してみてください。
本書で提案しているのは自分の幸せと会社の幸せ、そして社会の幸せを並立させるための転職です。
「会社あっての個人」という価値観から抜け出し、会社と個人のためになるような転職へとアップデートする。
そうすれば、圧倒的に仕事をするのが楽しく、幸福感を実感できるようになります。
村上 臣『転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール』SBクリエイティブ株式会社(2021)
まとめ
今回の記事では、『転職2.0』をピンポイントで解説し、著者の「働き方に対する考え方」の土台となる部分を紹介しました。
- タグとは、あなたの経験やポジションを要素分解し、カテゴリごとに分類したもの
- タグ同士をかけあわせたり、新しいタグを手に入れることで、あなたの希少性(=市場価値)を高める
- 能動的に人生の舵をきるために「いつでも転職できる」という切り札を持つべき
- 株式会社あなたの時価総額を高めるために、経営者目線であなたの市場価値を高める
『転職2.0』の内容に興味が湧いた人は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
この記事があなたのお役に立てると嬉しいです。