あなたは、「今の会社に勤め続けていて、大丈夫だろうか?」と悩んだことはありますか?
あなたが悩んだことがあるとしたら、次のように感じたからではないでしょうか。
- 総合職で、異動先は人事によってランダムに決められて、積み上げている感覚がない
- ジョブローテーションを繰り返し、結局社内でしか通用しない人材になっている
- 転職したいと思っても、自分には専門性やスキルがない
私もまさに同じような状況です。転職の経験はなく、自分が特別なスキルを持っているとも思えません。
漠然とした不安を抱えていたときに、こんな本に出会いました。
転職についてなんの知識もなかった自分でしたが、「平凡な自分でも転職できるかも」と勇気を持つことができました。
「転職も選択肢のひとつ」という思考があるだけで、普段の会社での振る舞いが変わったように感じます。
「この会社じゃなくても働ける」「自分の居場所はここ以外にもある」と、良い意味で会社に固執しないようになりました。
この記事を読むと、次の内容がわかります。
- 転職先を選ぶときの基準
- 自分の市場価値の測り方
- 特別なスキルや経験がない人が選ぶべき転職先
それでは、内容を見ていきましょう。
自分の市場価値の測り方
転職を考えるとき、真っ先に頭に浮かぶ疑問
自分は他の会社で必要とされる人材なのか?それだけの価値があるか。
今の会社からの評価だけではなく、世の中から見たあなたの価値が問われます。
これが市場価値です。
本書では、市場価値の測り方が紹介されています。
- 技術資産(価値のある技術をどれくらい持っているか)
- 人的資産(転職しても仕事をくれる人脈を持っているか)
- 業界の生産性(伸びている産業かどうか)
図で表すと、次のようになります。
マーケットバリューは、業界の生産性、人的資産、技術資産の3つの要素で構成されています。
これらの要素を結んでできた箱が大きいほど、給与の期待値が高くなります。
理想的なキャリアは少なくとも2つ以上が高いとされています。
ここから、それぞれの要素の説明をしていきます。
技術資産
技術資産を一言で表現すると「価値のある技術をどれくらい持っているか」です。
価値のある技術を分解すると、次の2つの要素に分けることができます。
- 専門性
- 経験
専門性とは、職種に近いものです。たとえば、営業、マーケティング、会計、税務、プログラミング、デザインなどです。
一方、経験とは、職種に紐づかない技術のことです。本書では、チームを率いた経験と表現されています。
ただし、技術資産は他の会社でも通用するものに限られます。他の会社では使えないものは、技術資産とは呼べません。
人的資産
人的資産を一言で表現すると、人脈です。
自分をかわいがってくれて、たとえ転職したとしても変わらず仕事をくれる人とも言い換えることができます。
人脈が価値となるのには時間がかかります。20代で専門性を身につけ、専門性をもとに30代で経験を積み、ようやく40代で人的資産が価値を生み出します。
業界の生産性
業界の生産性を一言で表現すると、その業界にいる人間が、一人当たりどれくらいの価値を生み出しているかです。
生産性の高い業界を選ぶことで、あなたのマーケットバリューは高くなります。
また、過去に伸びている産業で働いたことがある経験も、あなたのマーケットバリューを高めます。なぜなら、その分野で成功した経験があるだけで、他の会社はあなたを欲しいと思うからです。
伸びている業界に身を置くことは、それだけで価値があります。
肝に銘じておきたいのは、マーケットバリューは、業界の生産性に最も大きく影響を受けるということです。
仮に技術資産と人的資産が高くても、選ぶ産業を間違えたらマーケットバリューは高くなりません。
選ぶ産業を間違えてしまうと、これを挽回するのは容易ではなく、個人の資質や努力だけなんとかできるものではありません。そのため、業界の生産性は、最も注目すべき要素です。
平凡な人が選ぶべき2つの道
平凡な人、つまり技術資産と人的資産がない人は転職を諦めたほうがいいのでしょうか。
いいえ、違います。まだ希望は残っています。
平凡な人の代表である私を含め、技術資産と人的資産がない人が選ぶべき道は次の2つです。
- 生産性がすでに高い産業を選ぶ
- 生産性が伸びている産業を選ぶ
技術資産と人的資産がない人は、業界の生産性を狙います。
成熟し、すでに生産性が高い産業を選ぶか、これから躍進する産業を選ぶかの2択となります。
どちらも共通していることは、衰退産業を転職先に選んではならないということです。
まとめ
今回は「転職の思考法」から、マーケットバリューの測り方を紹介しました。
今回の記事をまとめると、次のようになります。
市場価値(マーケットバリュー)の測るときは、次の3点を指標とする。
- 技術資産
- 人的資産
- 業界の生産性
特別なスキルや経験、人脈がない人は、業界の生産性に着目する。
具体的には、これから伸びる産業もしくはすでに伸びている産業を転職先にする。
本書籍が気になる方は、ぜひ手に取って読んでみてください。
転職に関する漠然とした不安が解消されるはずです。
今回の記事があなたのお役に立てると嬉しいです。