こんにちは、コウタロウです。
窓口業務や電話応対で、威圧的な態度や、無茶なクレームをする人がいて精神的に参っている
今回はこのような人に向けて、クレームへの対処方法を紹介します。
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結論:ただひたすら理解に徹する
結論からお伝えします。
窓口応対や、電話応対などでクレーマーに対する向き合い方は次のとおりです。
相手の言動に反応せず、評価せず、ただ相手を見据えて理解に徹すること
相手は興奮し、大声を出しているかもしれません。
聞いている立場としては、筋が通っていないことのように聞こえるかもしれません。
しかし、相手がどんな主張をしても「確かにそういう面もあるかもしれませんね」と理解に徹するのです。
どんなに筋が通っていない話で、まったく理解ができない場合でも、とにかく理解に徹するようにします。
評価=解釈するということ
私たちは、事実や起こった出来事を自分なりの解釈をしています。
事実がひとつだけでも、解釈は人それぞれ違うものです。
クーラーの室温設定を例にあげましょう。
ここは会議室です。
夏場なので、クーラーを26℃に設定しています。
部屋の中には、男性、女性、さまざまな年齢の人がいます。
同じ室温でも、女性のAさんは「寒い」と感じていますが、男性のBさんは「暑い」と感じています。
誰でもこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。
この例で言いたいのは、同じ室温であっても、人によって感じ方が変わるということです。
そしてそれは、感じている人にとっては「寒い」もしくは「暑い」ということは事実なのです。
これを相手の発言に置き換えてみましょう。
相手の発言に対して、ひどく傷つく人もいるでしょうし、別のある人は気にもとめない。ということがあります。
同じことを言っているとしても、聞き手次第で結果が変わるのです。
これが起こる原因は、相手の発言を人それぞれで解釈しているからです。
つまり、相手の発言を自分の中でどう受け止めるか。これが解釈するということです。
相手のことを、良いとも悪いとも評価しない
精神的にダメージを負ってしまうのは、相手の発言を受けて、それをマイナスに解釈するからです。
誰でもそうなるでしょうし、私もそうです。
罵詈雑言を浴びせられたら嫌ですし、傷つきます。
しかし『反応しない練習』では違います。
「相手の発言に反応するのではなく、正しく理解すべきだ」ということが書かれています。
著者は本の中で、「正しい理解」を次のように説明しています。
「正しい理解」に「反応」はありません。ただ見ているだけです。
動揺しない。何も考えない。じっと見つめているだけです。
そういう徹底したクリアな心で、自分を、相手を、世界を理解することを、「正しい理解」と表現しています。
この「正しい理解」の考え方を、クレーマーに対して使っていきます。
相手の話すことを、自分の解釈を挟まずに、ただひたすら理解するように努めるのです。
実践してみたら心臓バクバクだった
あるクレームを受けたとき、この本の内容を試してみました。
ただひたすら理解に徹する姿勢を貫き、相手がなぜクレームを言っているのかを聞き続けました。
相手の発言を受けても、反応しないような態度を取りました。
結果的に、相手は怒りをおさめてクレームは終わりました。
しかし、このときの私は心臓バクバクです。しんどいのを我慢していました。
これって成功しているのでしょうか。
『反応しない練習』の中では「反応しない」を実践するときに注意点が書かれていました。
勘違いされやすいのですが、反応しないということは、無理してガマンすることや、無視すること、無関心でいることではありません。
悩みを増やしてしまうようなムダな反応を”最初からしない”こと。
怒りや、不安や、「どうせ自分なんて」と暗い気分が出てきたら、すばやくリセット・解消することです。
草薙 龍瞬『反応しない練習』2016(株式会社KADOKAWA)
私はしんどいのを我慢していました。
つまりは、まだ「反応しない」を実践できたわけではありませんでした。
これを実践するのは、とても難しいということがわかりました。
「反応しない」を実践するのが難しい理由
基本的に、心は何かの刺激を受けると、ほぼ自動的に反応してしまいます。
外の刺激に反応し続けるため、心の状態は目まぐるしく変化します。
非難の言葉を受けると、心は勝手に反応し、負の感情を生み出します。
たとえば、相手が自分を非難するとき、相手の心の中には、「自分が正しい。相手を打ち負かしてやろう」という気持ちがあります。
非難を受けたとき、心は勝手に反応します。
本書では、死ぬか、悟りに達するまで、心は反応し続けると書かれています。
つまり、それだけ心の反応を自分でコントロールすることは難しいのです。
反応しないための心の持ちよう
正しさは人それぞれ違う
一度は失敗したものの、それ以降も「相手の言うことを徹底的に理解する」という姿勢を取り続けていきました。
「反応しない」を完璧にこなすことはできていませんが、うまくいったと感じることもありました。
私が「反応しない練習」実践するときに役にたった考え方を紹介します。
正しさは人それぞれ違います。
聞き手が「あなたの考え方は間違っている」と解釈しても、話し手は「自分が正しい」と思っているのです。
この立場の違いを一致させるのは「自分の解釈と、相手の解釈をぶつけて戦わせるようなもの」だと感じます。
労力とストレスが半端なくかかるのです。
そのような負担を生むよりは、相手の主張を理解する方法とったほうが、クレームを着地させやすいと感じました。
「正しい理解」の実践編
私が我慢せず、相手の話を丁寧に聞けたときのことを紹介します。
私は、次の2点を実践しました。
これらを詳しく説明していきます。
相手の言い分を否定せず、説得もしない
相手が話す内容は、相手にとって真実です。
被害妄想だと感じたとしても、相手がそのように感じていることは確かだと理解します。
そして、相手の言い分を否定せず、ただ理解に徹するようにします。
その主張の理由を深く掘り下げて質問していきます。
「あなたは、こういう風に思ったんですね」
「それで、このようなご意見をお持ちなんですね」
と、相手の考えを自分なりの言葉に変換して、相手にフィードバックしました。
自分の価値観にあてはめて判断しない
相手の発言に反応してしまうときの多くは、自分の価値観とあまりに乖離しているときでした。
たとえば、極端に思い込みが激しく、事実として受け入れることができないときなどです。
ここで思い出したいのは「正しさは人それぞれで違う」ということです。
自分の価値観にあてはめて判断すると、心は反応します。
「その考え方は間違っている」「相手より自分の方が正しい」と、心に負の感情が生まれます。
こうなると、相手とのケンカが始まってしまいます。
そうならないように、相手を評価せず、ひたすら理解する立場に徹するようにします。
「相手がクレーマーなのに、そんな消極的な方法でいいのか!」という意見も聞こえてきそうですが、
相手の要求の根本は「自分の言っていることを理解してほしい」にあると思います。
理解に徹していたら、最終的に相手からお礼を言われて終わるということもありました。
デメリット
ただし、この方法も万能ではなく、デメリットがあります。
それは、時間がかかるということです。
相手の主張をひたすら聞き続けるため、時間が取られます。
しかし、最初に良い関係を作ることができれば、今後の対応が楽になります。
良い関係を築くことができれば、こちらの言い分も受け入れてもらいやすくなります。
私は、今後の大きな問題が起きないように、投資だと思って時間をかけるようにしています。
まとめ
今回の記事では、反応しない練習の実践方法を紹介しました。
具体的には、次の3点が有効であると説明しました。
- 相手の主張を理解する立場に徹する
- 相手が感じていることは、相手にとって真実であると意識する
- 相手のことを、自分の価値観にあてはめて判断しないこと
これらを実践することで、周りから見たら厄介だと感じられるお客様に対しても、特に厄介だとも思わずに対応できるようになります。
なぜなら、冷静に話を聞くことができ、負の感情に振り回されないからです。
このテクニックは、窓口応対や電話応対に限らず、あらゆる人間関係でも役に立ちます。
いろいろな場面で活用してみてください。